尿路結石症
尿路結石は尿路(腎、尿管、膀胱、尿道)に結石が形成される病気です。存在する部位によって腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と呼ばれます。
男性では7人に1人、女性では15人に1人が一生のうちに尿路結石症を経験するといわれています。また、男性では40歳代、50歳代に多く、女性では50歳以降に多くみられます。
尿路結石の原因として、食生活、内分泌疾患、尿路感染、尿の停滞、遺伝性などがあります。
尿路結石症の原因は、患者さんによって異なるため、原因を確認することがとても重要です。また、尿路結石症そのものに対する治療のみならず、再発予防も大切です。
症状について
・腰から下腹部の激しい痛み
・血尿
以上が尿路結石に特徴的な症状です。尿路結石の部位によっては、全く症状がない場合もあります。
痛みは鎮痛剤で和らぎますが、結石が排出するまでは、再び激痛がおこることがあります。
検査の流れ
問診で尿路結石が疑われた場合、尿検査、レントゲン検査、超音波検査などを行います。それでも診断がつかない場合はCT検査を行うこともあります。
治療について
小さな尿路結石(10mm以下)では、自然に排出する可能性もあるので、飲水や内服治療で排出するのを待ちます。
大きな結石や小さな結石でも排出しない場合は、手術治療を行います。
手術には、①体外衝撃波結石破砕術(ESWL)、②経尿道的砕石術(内視鏡を尿道や尿管にいれて結石を砕く手術)、③経皮的砕石術(腎臓に穴をあけて内視鏡をいれ結石を砕く手術)があります。
再発予防や注意点について
尿路結石の治療を行わないと、腎の機能が低下してしまい、最悪の場合は透析治療がひつようになることもあります。
尿路結石の再発率は5年間で50%と非常に高く再発予防が必要です。
再発予防の方法は、結石の成分や原因によって異なりますが、水分摂取はすべての結石予防で有用です。理想的には食事以外で2L以上の水分摂取が望まれます。
食事に関しては、動物性タンパク質、シュウ酸を多く含むもの(ナッツ類、タケノコ、ほうれんそうなど)、塩分や糖分を多く含むものは制限した方がよいです。一方で、クエン酸を多く含むもの(柑橘類など)とカルシウムは、ほどほどに摂取した方がよいとされています。
生活習慣病になりやすい食生活や日常生活を送っていると、尿路結石にもなりやすくなりますので、適度な運動習慣など規則正しい生活が望まれます。