【男性】包茎
勃起していない状態のときに亀頭部が陰茎部を包む皮膚(包皮)に覆われている状態のことを包茎といいます。
包茎は包皮のむけ具合によって以下の3種類に分けられます。
・仮性包茎(かせいほうけい)
普段は亀頭部が包皮に覆われているものの、勃起した時には痛みも締めつけもなく簡単にむくことができます。
・嵌頓包茎(かんとんほうけい)
包皮輪が狭いため、無理にむくと亀頭部の根元で締めつけられて包皮が戻せなくなってしまう状態をいいます。このとき包皮が腫れ、亀頭がうっ血するので強い痛みを伴います。早急に泌尿器科を受診し整復する必要があります。用手的に整復できない場合は、緊急手術が必要になることもあります。嵌頓包茎になるほとんどの方が高度の仮性包茎であるため、将来的には手術治療をおすすめします。
・真性包茎(しんせいほうけい)
包皮輪が狭いために普段も勃起時も全く包皮をむくことができません。亀頭部が包皮に覆われていると亀頭と包皮の間に汚れ(恥垢)がたまりやすく、細菌が繁殖しやすい状態になります。このような状態を放置すると、慢性的な炎症が生じ、包皮炎を繰り返す可能性が高まります。また、真性包茎は陰茎癌の危険因子であり、包茎があると陰茎癌の発生が10倍以上高いとされています。
包茎手術の目的は亀頭部を露出するように形成することです。包皮に覆われていることで蒸れて不潔な環境にあった亀頭部周辺を清潔にすることができます。
治療について
一般的には真性包茎が手術適応とされます。しかし、嵌頓包茎をきたしたことのある仮性包茎や仮性包茎でも勃起していない普段の状態で包皮がむけた状態をご希望されるような場合は手術適応となります。
小さなお子さんの場合は、ステロイド外用薬で治療を行うこともあります。
手術は日帰りで行うことができます。
正式には環状切除術といい、包皮輪を含めた余分な包皮を切除した後、溶ける糸を使用して丁寧に縫い上げます。
局所麻酔を行い約60分で手術は終了します。
手術終了後、しばらくクリニック内で休息頂き、その後ご自身で帰宅していただけます。
包茎手術の合併症として、出血や感染、勃起時の違和感、性感の変化などが生じる場合があります。また、手術後のリンパ浮腫などで少しむくみが残ることもあります。入院が必要となるような合併症が生じるようなことは極めて稀です。
包茎手術後の注意事項
・抜糸:溶ける糸(吸収糸)を使用しますので通常抜糸は必要ありません。
・シャワー・入浴:手術当日からシャワーは可能です。しかし、術後3日間は患部を濡らさないように注意してください。術後4日目からは患部を濡らしても問題ありません。術後1週間以降から入浴可能となります。
・運動やお仕事:重労働でなければ手術当日から仕事することは可能です。ただし、体の大きな動きが必要になる運動や重労働は術後1週間控えてください。
自転車・バイクについても手術後1週間は控えてください。自動車の運転に制限はありません。
・飲酒:術後3日間は飲酒を控えてください。
・性行為:術後4週間は性行為を控えてください。