【男性】勃起障害(ED)
勃起障害について説明します。
勃起は性的興奮が高まった時に起こります。性的興奮により、勃起に関係する神経から特殊な物質が放出され、陰茎海綿体に信号を送ります。すると、陰茎海綿体に血液が多く流れ込み、充満していくことにより勃起が起こります。勃起が完成すると、陰茎内に充満した血液が陰茎の外に流れ出ないような仕組みが働き、良好な勃起が維持されるのです。
勃起障害は英語でErectile Dysfunctionといいますが、その頭文字をとってEDと呼びます。勃起障害は様々な原因で起こりますが、勃起障害を局所だけの疾患ではなく、全身疾患の一つとしてとらえなければならないということが大切です。勃起障害の主な原因として、加齢、糖尿病、肥満と運動不足、心血管疾患および高血圧、喫煙、テストステロン低下、慢性腎臓病と下部尿路症状、神経疾患、外傷および手術、心理的および精神疾患的要素、睡眠時無呼吸症候群などがあります。また薬剤による副作用が原因で勃起障害となる場合もあります。
単に「年のせい」だけなく、メタボリック症候群のような生活習慣病も勃起障害の大きな原因となります。そして、多くの心血管疾患(心筋梗塞、狭心症など)の患者さんが、その発症前に勃起障害を自覚しています。高血圧で41.6%、糖尿病で42%、高脂血症で20%の患者さんが勃起障害であったというデータもあります。つまり、勃起障害になったら他の全身疾患が進行しつつあるかもしれないということです。「たかがED」と侮ることなく、早めに泌尿器科へ受診しましょう。
検査の流れ
勃起障害は全身疾患の前兆である可能性もあります。これまでに検診などを受けておられない方は、高血圧や糖尿病の有無を調べるために、血圧測定、尿検査、血液検査などを受けることをおすすめします。
治療について
内服薬の治療になります。現在3種類の治療薬が使用できます。インターネットなどで販売されている薬は偽物が多く、有害な物質が含まれている可能性があるので、絶対に購入しないでください。正規の勃起障害治療薬は医師の処方箋が必要です。
3つの治療薬の特徴を次に列挙します。
・シルディナフィル:一番歴史がある薬で比較的安価
・タダラフィル:食事の影響を受けず持続時間が長い
・バルデナフィル:即効性ある
副作用としては、頭痛、めまい、ほてり、鼻づまり、消化不良などがあります。
患者さんの希望に応じて、いずれかの内服薬を処方します。