過活動膀胱
過活動膀胱(OAB)とは? 〜「症状」そのものが病気の名前です〜
「過活動膀胱」という言葉は、TVCMなどで耳にする機会が増えましたが、実は他の病気とは少し異なる特徴を持っています。
通常、多くの病気は「前立腺が肥大している(前立腺肥大症)」や「膀胱に炎症がある(膀胱炎)」といった、臓器の見た目の異常(形態的異常)から診断されます。
しかし、過活動膀胱は「尿意切迫感(急におこる我慢できないような強い尿意)」という自覚症状さえあれば、診断が成立する疾患です。
つまり、「検査で見た目に異常がないから大丈夫」ではなく、あなたが「急な尿意で困っている」という事実そのものが、治療を始めるべきサインなのです。
あなたの重症度をチェック:OABSS(過活動膀胱症状質問票)
国際的に使われている判定基準です。まずはご自身の状態を点数化してみましょう。

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質問3(尿意切迫感)の点数が2点以上
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かつ、合計点数が3点以上 の場合、過活動膀胱の疑いがあります。
上記の両方に当てはまる場合、過活動膀胱の疑いがあります。
点数による重症度の目安
5点以下: 軽症
6〜11点: 中等症
12点以上: 重症
「中等症」以上はもちろん、たとえ合計点数が低くても、日常生活で不便や不安を感じているのであれば、それは立派な治療の対象です。
「これくらいで病院に行ってもいいのかな?」と迷う必要はありません。
当院では、患者様の感じている「困りごと」を第一に考え、適切な治療法をご提案します。
点数が高い場合はもちろん、「中等症」であっても日常生活に支障を感じている場合は、早期の受診をお勧めします。
「急に強い尿意に襲われる」
「トイレが心配でバス旅行や外出を楽しめない」
そのようなお悩みは、過活動膀胱(OAB)という治療で改善できる病気かもしれません。
過活動膀胱は、膀胱に尿が十分に溜まっていないのに、膀胱が勝手に収縮してしまう状態を指します。
日本では40歳以上の男女の約8人に1人がこの症状に悩んでいると言われるほど、決して珍しいことではありません。
【かみむらクリニックの「安心への配慮」と治療方針】
泌尿器科への受診は、男女問わず勇気がいることだと私たちは理解しています。
当院では、患者様が少しでもリラックスして受診できるよう、以下の体制を整えています。
専門医による多角的な診断: 単なる加齢と考えず、超音波検査等で他の疾患が隠れていないかを慎重に診断します。
最新の治療選択肢: ライフスタイルに合わせ、飲み薬による治療のほか、生活指導(膀胱訓練や骨盤底筋体操)のアドバイスも丁寧に行います。
難治性過活動膀胱に対するボトックス治療:泌尿器科専門医にしか施行できない難治性過活動膀胱に対するボトックス治療も行っています。
「トイレの悩み」は、QOL(生活の質)を大きく左右します。
一人で我慢せず、どうぞお気軽にご相談ください。
症状について
・1日に何回もトイレに行く
・夜間に何度も目が覚めてトイレに行く
・急に尿がしたくなりトイレへ駆け込む
・トイレまで我慢ができずに尿が漏れてしまう
これらが過活動膀胱の典型的な症状です。
40歳以上の日本人で過活動膀胱を有している人の割合は、男性で24.8%、女性で15.7%といわれています。また、加齢とともにその比率は増加します。
尿もれを伴う過活動膀胱は女性に多く、過活動膀胱を有する女性の64%は尿もれを伴っているといわれています。
検査の流れ
問診および尿検査を行います。また、超音波検査で膀胱に異常がないか、残尿がないか、男性の場合は前立腺肥大症がないかを調べます。
前立腺肥大症がある場合は、前立腺肥大症の治療に準じて治療を行っていきますので、詳しくは前立腺肥大症のページをご覧ください。
過活動膀胱は患者さんの自覚症状だけで診断する疾患のため、重症度の判定には、症状の強さの客観的な指標が必要になります。
代表的な質問票として過活動膀胱症状質問票(OABSS)というものがあり、これを重症度の判定に用います。5点以下が軽症、6〜11点が中等症、12点以上が重症となります。
治療について
当クリニックでは、行動療法と薬物治療を組み合わせて治療します。これらの治療を行っても症状の改善が得られない難治性の過活動膀胱に対してはボツリヌス毒素(ボトックス)膀胱壁内注入療法を行います。
・行動療法
膀胱訓練:尿をなるべく我慢していただき、膀胱の広がりを促します。ただし、過活動膀胱の患者さんは尿を我慢すると漏れてしまうと不安を感じる患者さんも多く、膀胱訓練単独での治療は難しいことが多いです。
骨盤底筋体操:腹圧性尿失禁に対して非常に有効な治療法ですが、過活動膀胱にも有効です。
・薬物治療
過活動膀胱に対する薬物治療には大きく2種類の薬剤があります。
β3受容体作動薬:膀胱の筋肉を緩めて膀胱が広がりやすくする薬です。下記の抗コリン薬と比べて、排尿困難や便秘などの副作用が少ないのが特徴で、比較的安全な薬です。
抗コリン薬:膀胱の過剰な収縮を抑える薬です。β3受容体作動薬より膀胱の収縮を抑える力が強いため、排尿困難などの副作用が出やすい点が特徴です。飲み薬もありますが、貼り薬もあります。
・ボツリヌス毒素(ボトックス)膀胱壁内注入療法
行動療法や薬物治療を行っても、過活動膀胱の症状が改善しない場合、ボツリヌス毒素(ボトックス)膀胱壁内注入療法を行います。詳しくは膀胱内ボトックス治療のページをご覧ください。
